嫁姑問題で離婚したい
嫁姑問題、嫁舅問題に悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。このような問題で離婚は出来るのでしょうか。
目次
1嫁姑問題、嫁舅問題とは
家庭生活に対する姑の介入が著しい。夫は、いつも姑の味方で、姑と一緒になって、文句言ったり、指図してくる。毎週末夫の実家に行くことが義務付けられている。連絡なく頻繁に姑舅が家にやってくる。舅がもともと姑にモラルハラスメントや暴力を振るっていて、その言動を嫁に対してもしてくる。
これらは全て実際にあった例です。
このような状況で、結婚生活を続けていくのは辛いですね。では、このような嫁姑、嫁舅問題を理由に離婚できるのでしょうか。
2離婚は可能か。
夫が離婚に合意する場合は、離婚の理由は問題となりませんので、離婚が可能です。問題は、夫が離婚に合意しない場合です。
夫が離婚に合意しない場合は、民法770条1項に規定されている離婚事由のいずれかが必要です。
民法770条1項
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
嫁姑問題は、民法770条1項のうち、5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」にあたる可能性があります。
実際、過去の判例で、いわゆる姑による嫁いびりがあった事案で、妻からの離婚請求を認めている例があります(昭和52年1月26日盛岡地裁遠野支部判決や昭和38年8月23日東京高裁判決等)。
しかし、いずれも、姑や舅の嫁に対する嫌がらせ行為、侮辱行為自体を離婚の理由としているのではなく、それについての夫の態度、対応を重視しています。
つまり、夫が姑舅の言動を止めさせるどころか、一緒になって、妻を虐めるような行為をしたり、姑舅の言動に対して積極的には加担しないものの、妻の苦しみを知りながら傍観して何ら対策を取らなかったこと等を理由に「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとしています。
したがって、姑との関係、舅との関係に妻が悩み、苦しんでいるのに、夫が何も対策を講じないとか、夫はいつも舅姑に同調するという態度があれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして、離婚が認められる可能性があると思います。