スピード離婚

スピード離婚とは、明確な定義はありませんが、結婚後比較的短期間で離婚に至るケースのことをいいます。
スピード離婚もスピード離婚でない離婚も手続きなど基本的な進め方は同じですが、他とは異なる特徴もあります。

以下、ご説明します。

1 比較的離婚はしやすい。

結婚後1年以内で離婚する場合は、スピード離婚といって良いでしょう。

その場合、まだ子もいなかったり、婚姻後に形成された財産も少ないことが多いですので、離婚するか否かだけが争点であることが多いです。となると、親権者を決めるための調査官の調査や財産分与のための財産資料の開示作業をする必要がなくなり、その分、かかる時間も大幅に短縮されます。

離婚を請求された側は、当初は離婚に反対していても、調停など進めていくうちに、「そこまで妻の離婚意思が固いのならやむを得ない」と離婚争うことを止め、離婚に応じることも少なからずあります。

この点、スピード離婚でも、子がいたり、分けるべき財産がある場合は、離婚自体、争い続けることも多いですし、離婚には応じるが親権は譲らないとして紛争が長期化することも多いです。

2 財産分与はあまりないことが多い

離婚の財産分与は、婚姻中のどちらかの収入で得た財産を公平に分ける手続きです。そのため、婚姻期間が短いと財産を形成する時間も短くなるので、スピード離婚の場合は、分けるべき財産がないということもよくあります
また、共働きでそれぞれが自分の名義で貯金しているという場合は、それぞれの財産はそれぞれが取得する形にして、敢えて財産分与をしないということもあり、その分、手続きの進みが早くなることがあります。

3 慰謝料も少なめ

例えば、夫が暴力を振るったり、浮気をしたという場合は、離婚に際して妻は夫に慰謝料請求が出来ます。もっとも、その場合の慰謝料の額は、婚姻期間や子有無などが影響してきますので、婚姻期間が短いと、その分、慰謝料の額も少なくなることが多いです。

4 スピード離婚するかどうか慎重に検討を

夫が不貞した、夫のDVがあるなどの離婚の原因がある場合でも、これといって明確な離婚の原因はないが、離婚したいという場合でも、すぐに離婚をするのがご自身にとってベストか否か慎重に考えることをお勧めします。

夫の収入によっては、すぐに離婚はせずに、当面別居し、その間夫から婚姻費用(生活費)の支払いを受けて、離婚に向けての生活の準備をするという選択もあるかもしれません。

By typeタイプ別で見る離婚

  • 専業主婦・パートの離婚
  • 共働き夫婦の離婚
  • 熟年離婚
  • スピード離婚
  • 長期別居後の離婚
  • 夫が公務員
  • 夫が資産家 (経営者・医師・不労所得など)
  • 国際離婚

この記事を書いた人

弁護士髙木由美子

2000年10月 弁護士登録(第一東京弁護士会所属:53期)。
弁護士登録以降、離婚・国際離婚などの家事事件を中心に扱い、年間100件以上の相談を受けてきました。ご依頼者がベストな解決にたどり着けるためのサポートをすることは当然として、その過程でもご依頼者が安心して進めることが出来るように心がけています。
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